高校の無償化 朝鮮学校も隔てずに(信濃毎日新聞3月4日)
鳩山政権の目玉政策の高校授業料無償化をめぐり、政権の足元がふらついている。朝鮮学校を無償化の対象から外そうとする動きが閣内にある。ともに日本で暮らしている子どもたちを、朝鮮学校に通う生徒だけ線引きするのはおかしい。学ぶ権利を保障するという制度の理念もゆがませる。
きっかけは、中井洽拉致問題担当相の発言だ。北朝鮮への制裁を理由に、朝鮮学校の除外を文部科学省に求めた。子どもが教育を受ける権利に、政治的な思惑が入り込むのはよくない。川端達夫文部科学相は、外交上の配慮はしないと明言した。もっともな判断だ。
民主党は野党時代から、外国人を含めたすべての子どもの学ぶ権利の保障に力を入れてきた。今国会に提出された高校無償化法案は、その具体化である。だからこそ、朝鮮学校をはじめ外国籍児童が通う「各種学校」も法案の対象に含めたのではなかったか。いま一度、この原点に立ち返ってほしい。
法案では、各種学校が無償化の対象となるには、高校並みの教育課程が条件になる。朝鮮学校の実態を知れば、生徒の学んでいる内容が日本の高校と大きくは変わらないこと、除外は適当でないことが分かるはずだ。
朝鮮学校は全国に70校余あり、朝鮮語による授業や民族教育をしている。長野県にも松本市に長野朝鮮初中級学校がある。園児から中級部生まで76人が学んでいる。
高校にあたる「高級学校」(朝鮮高校)は10校。およそ2千人が学ぶ。いまは朝鮮籍と韓国籍がほぼ半々で、日本国籍の生徒もいる。在日韓国・朝鮮人を中心に、朝鮮半島にルーツを持つ家庭の子女を広く受け入れている。教科書は朝鮮語で書かれているけれど、内容は文科省の学習指導要領に沿っている。日本の大学に進む生徒も少なくない。
朝鮮高校は、インターハイや国体への参加を認められている。先の全国高校ラグビーでは大阪の朝鮮高校が花園を沸かせた。多くの大学が朝鮮高校に受験資格を認めている。教育現場では、実質的に高校と受け止めている。
鳩山首相は無償化に慎重な姿勢を示している。「(北朝鮮と)国交がないから、どういう教科内容か調べようがない」とも言う。
朝鮮高校は都内にもある。教科内容を把握したければ、簡単にできる。子どもの学ぶ権利を守る。この視点を忘れないでほしい。
きっかけは、中井洽拉致問題担当相の発言だ。北朝鮮への制裁を理由に、朝鮮学校の除外を文部科学省に求めた。子どもが教育を受ける権利に、政治的な思惑が入り込むのはよくない。川端達夫文部科学相は、外交上の配慮はしないと明言した。もっともな判断だ。
民主党は野党時代から、外国人を含めたすべての子どもの学ぶ権利の保障に力を入れてきた。今国会に提出された高校無償化法案は、その具体化である。だからこそ、朝鮮学校をはじめ外国籍児童が通う「各種学校」も法案の対象に含めたのではなかったか。いま一度、この原点に立ち返ってほしい。
法案では、各種学校が無償化の対象となるには、高校並みの教育課程が条件になる。朝鮮学校の実態を知れば、生徒の学んでいる内容が日本の高校と大きくは変わらないこと、除外は適当でないことが分かるはずだ。
朝鮮学校は全国に70校余あり、朝鮮語による授業や民族教育をしている。長野県にも松本市に長野朝鮮初中級学校がある。園児から中級部生まで76人が学んでいる。
高校にあたる「高級学校」(朝鮮高校)は10校。およそ2千人が学ぶ。いまは朝鮮籍と韓国籍がほぼ半々で、日本国籍の生徒もいる。在日韓国・朝鮮人を中心に、朝鮮半島にルーツを持つ家庭の子女を広く受け入れている。教科書は朝鮮語で書かれているけれど、内容は文科省の学習指導要領に沿っている。日本の大学に進む生徒も少なくない。
朝鮮高校は、インターハイや国体への参加を認められている。先の全国高校ラグビーでは大阪の朝鮮高校が花園を沸かせた。多くの大学が朝鮮高校に受験資格を認めている。教育現場では、実質的に高校と受け止めている。
鳩山首相は無償化に慎重な姿勢を示している。「(北朝鮮と)国交がないから、どういう教科内容か調べようがない」とも言う。
朝鮮高校は都内にもある。教科内容を把握したければ、簡単にできる。子どもの学ぶ権利を守る。この視点を忘れないでほしい。