朝鮮学校 高校無償化の除外は筋違い 愛知朝鮮学園理事長 文光喜 (朝日新聞「私の視点」)
私は愛知県豊明市で、主に在日朝鮮人の子どもたちが通う愛知県朝鮮学園の理事長を務めています。4月から実施予定の高校無償化について、朝鮮学校を対象外とすべきだという意見が政府内から出ていますが、本当にそれでよいのでしょうか。強く再考を促したいと思います。
対象外とする理由は、日本と北朝鮮の間に国交がないことや、日本人拉致問題への反発、経済制裁が続いていることへの配慮があると言われています。だが、朝鮮学校の子どもは日本で生まれ、日本の社会でこれからも共生していく一員です。拉致問題や経済制裁と何の関係があるのでしょうか。
全国に10校ある朝鮮学校には、朝鮮国籍の子は46%で韓国籍の子も51%います。中国籍を持つ朝鮮族の子どもたちと、父母のどちらかが日本人という日本国籍の子どもも合わせて3%います。父母たちすべてが、北朝鮮の現体制を支持しているわけではありません。そもそも「朝鮮」国籍は、第2次大戦後も引き続き日本に住む朝鮮人に対し、便宣的に与えられたいわば「記号」であって、北朝鮮国民を指すものではないのです。
愛知朝鮮学園で、日本の高校に相当する高級学校は、愛知県の許可を受けて、ハングルや朝鮮民族に関する文化、歴史、地理などの科目以外は、文部科学省の学習指導要領に沿って、日本の高校と変わりないカリキュラムで授業を続けてきました。授業時間数などの学則を県に報告しています。
県から助成金もいただいていますので、財務内容は学校法人会計に沿った指導や検査を受けています。卒業生の中には日本の大学に進学し、弁護士や医者の資格を取ったり、スポーツ界、芸能界で活躍したり、民間企業で働いたりと日本社会に貢献している者も数多く輩出しています。ぜひ私たちの学校も見てください。心から歓迎します。
1月29日に閣議決定した高校無償化法案は、国公私立校や高等専門学校に加え、「高校課程に類する各種学校」を対象にしており、ブラジル人学校、中華学校、朝鮮学校への助成も想定されています。外国籍の子どもを含めて学ぶ権利を保障することは、民主党が目指す教育政策の基本でもあったと思います。しかし、朝鮮学校だけを除外することは、民主党の教育政策だけでなく、教育を受ける権利を保護する国際人権A規約の理念にもはずれるのではないでしょうか。
朝鮮学校も無償化の対象とし、多文化が共生する社会をともに作っていくことを考えるべきです。拉致問題に絡めて朝鮮学校を除外し、子どもたちの学習環境までを差別するのは、筋違いではないでしょうか。
対象外とする理由は、日本と北朝鮮の間に国交がないことや、日本人拉致問題への反発、経済制裁が続いていることへの配慮があると言われています。だが、朝鮮学校の子どもは日本で生まれ、日本の社会でこれからも共生していく一員です。拉致問題や経済制裁と何の関係があるのでしょうか。
全国に10校ある朝鮮学校には、朝鮮国籍の子は46%で韓国籍の子も51%います。中国籍を持つ朝鮮族の子どもたちと、父母のどちらかが日本人という日本国籍の子どもも合わせて3%います。父母たちすべてが、北朝鮮の現体制を支持しているわけではありません。そもそも「朝鮮」国籍は、第2次大戦後も引き続き日本に住む朝鮮人に対し、便宣的に与えられたいわば「記号」であって、北朝鮮国民を指すものではないのです。
愛知朝鮮学園で、日本の高校に相当する高級学校は、愛知県の許可を受けて、ハングルや朝鮮民族に関する文化、歴史、地理などの科目以外は、文部科学省の学習指導要領に沿って、日本の高校と変わりないカリキュラムで授業を続けてきました。授業時間数などの学則を県に報告しています。
県から助成金もいただいていますので、財務内容は学校法人会計に沿った指導や検査を受けています。卒業生の中には日本の大学に進学し、弁護士や医者の資格を取ったり、スポーツ界、芸能界で活躍したり、民間企業で働いたりと日本社会に貢献している者も数多く輩出しています。ぜひ私たちの学校も見てください。心から歓迎します。
1月29日に閣議決定した高校無償化法案は、国公私立校や高等専門学校に加え、「高校課程に類する各種学校」を対象にしており、ブラジル人学校、中華学校、朝鮮学校への助成も想定されています。外国籍の子どもを含めて学ぶ権利を保障することは、民主党が目指す教育政策の基本でもあったと思います。しかし、朝鮮学校だけを除外することは、民主党の教育政策だけでなく、教育を受ける権利を保護する国際人権A規約の理念にもはずれるのではないでしょうか。
朝鮮学校も無償化の対象とし、多文化が共生する社会をともに作っていくことを考えるべきです。拉致問題に絡めて朝鮮学校を除外し、子どもたちの学習環境までを差別するのは、筋違いではないでしょうか。